この記事では、海外展開を見据えた、Shopifyを活用したネットショップの立ち上げ方法や便利な機能を紹介します。これからShopifyを活用して事業展開や販路を拡大したいとお考えの方は参考にしてください。
Shopifyの利活用及び海外市場展開のメリット
世界のEC市場規模と海外市場展開の重要性
米国の市場調査会社eMarketerによると、2021年の世界のEC小売市場規模は4兆9,382億ドル(約562兆円*1)とされており、今後も成長するとされています。(*1 2021年12月時点の為替レート1ドル=113.88円に基づく)
また、ジェトロが実施した2021年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、日本では、約4割の企業が国内外での販売でECを活用したことがあり、ECを活用したことがない企業のうち、7割強は海外向け販売での活用を検討していました。
さらに、米国の市場調査会社eMarketerによると、EC小売市場規模が多い国は、上から順に、中国(2兆4,886億ドル、世界シェア50.4%)、米国(9,191億ドル、世界シェア18.6%)、英国(2,346億ドル、世界シェア4.8%)です。世界でEC展開をしていくと、より大きな市場が得られるため、事業拡大のための一つの選択肢として検討するのもよいでしょう。
参考:JETRO「海外市場の成長がECの積極的活用を後押し(世界、日本)」
Shopifyの特徴と位置づけ
Shopifyは、カナダ発のサブスクリプション型ECプラットフォームです。2006年に誕生し、2017年に日本進出しており、現在では130以上の国に展開しています。Shopifyの特徴としては、以下があります。
表:Shopifyの特徴
また、代表的なECプラットフォームであるAmazonやShopeeと比較した際、Shopifyの特徴はその使いやすさやデザインの柔軟性にあるといえます。
表:代表的なECプラットフォーム及び特徴
特に、アメリカに進出したい方や、ECサイトに出店する際のカスタマイズの容易性を重視する方は、Shopifyを活用することで、EC及び海外市場への進出がより容易になります。
参考:Shopify「越境ECの始め方:Shopifyで海外販売をはじめる方法」
Shopify「Shopify(ショッピファイ)とは? 機能やサービスとメリットのまとめ」
Shopee「【海外販売に強いShopeeとShopifyを徹底比較】それぞれの特徴を紹介!アナタに最適なのはどちらのサービス?」
Shopifyを活用したストアの開設手順
Shopifyを活用したストアの開設は、以下のステップで実施できます。
1.Shopifyアカウントの作成
Shopifyの公式サイトにアクセスします。
メールアドレスを入力し、「無料体験をはじめる」を押下します。
店舗に関するアンケートがあるので、答えていきます。そして、メールアドレスもしくはApple, Facebook, Googleにサインアップし、自社サービスのストア名と、ストアURL(英数字)を入力すれば、アカウント作成は完了です。
2.ストアの作成
Shopifyには、公式のテーマストアページで、豊富なサイトのデザインを設定するための「テーマ」が用意されています。これらは、自分のブランドや商品に合わせて選択できます。テーマの選択が終わったら、ロゴや画像、カラースキームなど、消費者が目にするページのストアデザインをカスタマイズしましょう。
3.商品の追加
つづいて、商品を追加します。商品ページで「商品を追加」ボタンをクリックし、商品のタイトル、説明、画像、価格などの詳細を入力します。必要に応じて、カテゴリーやタグを設定して整理します。
引用元:Shopify動画「Shopifyのストアに商品を追加する方法」
4.支払いの設定
支払い設定を行います。ShopifyはShopify ペイメント(クレジットカード決済)のほか、PayPal、コンビニ決済、キャリア決済、Amazon Pay, Alipayなど、複数のオプションを提供しています。設定から決済を選択し、設定を行いましょう。
引用元:Shopify「【Shopifyの使い方】Shopifyを使ってネットショップ開設:基本設定編」
参考:Shopify「【Shopifyの使い方】Shopifyを使ってネットショップ開設:基本設定編」
これで、Shopifyストアの作成は完了です。売上を向上させるためには、市場分析を踏まえた商品選定や、広告や顧客対応を通じた認知・購入率の向上を心がけましょう。
Shopifyが有する国際展開機能
Shopifyは、国際展開を行う企業にとって強力なツールとなる多様な機能として、多言語・多通貨機能、豊富な決済方法、国際配送や関税計算の簡略化を提供しています。以下に、それぞれについて説明していきます。
多言語・多通貨機能
Shopifyは、50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応しています。
Shopify では、第三者翻訳アプリを用いており、サイトを別の言語に自動で翻訳可能です。また、カート画面やストアにおける基本的な箇所は、言語設定のみで自動で他言語に対応できるようになっています。
通貨については、自動でレート変換されるようになっています。これにより、顧客は自国の通貨で支払いを行えるため、購買意欲が高まります。Shopifyのデータによると、現地通貨で価格表示がされているショップでは、コンバージョン率が40%高まります。
豊富な決済方法
北米ではクレジットカード、ドイツではEPS、中国ではAlipayやWechat Pay等、各国・地域において主流な決済方法は異なります。Shopifyは、豊富な決済方法を提供し、顧客が安心して支払いを行える環境を提供しています。
上述のとおり、主要なクレジットカード(Visa、Mastercard、American Expressなど)に加えて、PayPal、Amazon Pay、Apple Payなどを用意しており、さらに、Shopify Paymentsを利用すれば、手数料が他の決済方法よりも低く抑えられ、シームレスな決済体験を提供できます。
国際配送や関税計算の簡略化
国際配送や関税計算の簡略化もShopifyの特長の1つです。Shopifyは多数の配送パートナーやアプリを提供し、世界中の顧客への迅速かつ効率的な配送を可能にします。また、関税や税金の計算も自動化され、国際的な取引をスムーズにします。
例えば、アメリカのように州ごとに税率が異なる場合でも、顧客の住所に基づいて税率を自動的に適用するように設定することができます。
参考:Shopify「越境ECの始め方:Shopifyで海外販売をはじめる方法」
Shopify「Shopify Markets グローバル展開戦略の構築方法:単一店舗から世界へ」
まとめ
この記事では、Shopifyを活用したネットショップ立ち上げや海外展開のやり方を紹介しました。Shopifyは直感的で使いやすい上、海外展開を容易にするための機能も豊富に揃えています。Shopifyを活用して、自社のEC及び海外展開を実現していきましょう。