この記事ではECサイトを構築・運用する際に利用できる補助金の申請方法について解説します。利用可能な補助金の申請ステップや交付期間から、おすすめの代行業者まで解説しますので、補助金の申請方法が知りたいとお考えの方は参考にしてください。
補助金の申請におけるポイント
必ずしも事業の全額が補助されるわけではない
補助金を申請する際、まず理解しておかなければならないのが、必ずしも事業の全額が補助されるわけではないという点です。補助金の種類や条件によって異なりますが、通常は一部の経費やプロジェクトに対して支援が行われます。そのため補助金を受ける際には、どの部分に資金を使いたいのかを明確にし、それに合った補助金プログラムを選びましょう。
審査がある
補助金の申請には審査があります。申請書類やプランの内容が審査され、承認されるまで一定の期間がかかることがあります。審査では事業計画の適切性や補助金の使用目的が確認されます。審査に通過するためにはしっかりと計画を練り、必要な書類を提出することが大切です。
補助金の申請・受給ステップ
調査・選定
ニーズの明確化
まずどの分野やプロジェクトに補助金を活用するかを明確にしましょう。事業の売上を改善するためにどのような支援が必要かを考えましょう。
補助金プログラムの調査
複数の補助金プログラムを調査し、自身のニーズに合致するプログラムを選定しましょう。プログラムごとに異なる条件や応募期限があるため、注意深く調査しましょう。
申請
必要書類の収集
必要な書類や情報を収集しましょう。これには事業計画書、収支計算書、事業登録証明書などが含まれます。
申請書の記入
選定した補助金プログラムに応じた申請書を記入します。正確で詳細な情報を提供することが重要です。
採択
審査
申請書を提出すると、審査が行われます。審査では事業計画の適切性や補助金の使用目的が確認されます。
採択
審査に合格すると、補助金の採択通知が届きます。これに従って事業計画を実施する準備を進めましょう。
事業実施
事業計画の実行
補助金を利用して事業計画を実行します。計画通りに進め成果を上げましょう。
補助金交付
申請
実績報告書などの必要書類を提出し、補助金の交付を申請します。
審査
提出された書類が審査され、合格すると補助金が交付されます。
事業終了後対応
報告
補助金の受給後、一定期間内に事業成果などを報告することが求められる場合があります。
代表的な補助金と申請方法
IT導入補助金
IT導入補助金は、情報技術を活用して業務の効率化や売上向上を図るために、補助金を受けることができる制度です。以下に、IT導入補助金の詳細な申請方法を解説します。
対象者
- 中小企業・小規模事業者等
適用条件
- 交付申請時点において、日本国内で法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されていること)され、日本国内で事業を営む法人、又は個人であること
- 交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
等の条件があります。
申請の流れ
IT導入補助金の申請手続きは以下のステップで行います。
〈中小企業・小規模事業者等の場合〉
- IT導入補助金への理解
IT導入補助金2023の公式サイトや公募要領を読み、補助事業について理解します。
IT導入補助金2023公式サイトはこちら。 - 「IT導入支援事業者の選定」「ITツールの選択」(事前準備)
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施、「みらデジ」の「経営チェック」の実施
- 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
- ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
- 事業実績報告
- 補助金交付手続き
- 事業実施効果報告
〈ITベンダー・サービス事業者の場合〉
- IT導入支援事業者としての登録申請
- ITツールの登録
- ITツールの提案
- 交付申請
- 契約・ITツールの納入
- 事業実績報告
- アフターフォロー
IT導入支援事業者は、中小企業・小規模事業者等のみなさまへ納入したITツール等のアフターフォローを継続的に行ってください。 - 事業実施効果報告
申請書類
〈法人が交付申請するにあたり必要な書類〉
- 履歴事項全部証明書
- 法人税の納税証明書
〈個人事業主が交付申請するにあたり必要な書類〉
- 運転免許証または運転経歴証明書または住民票
- 所得税の納税証明書
- 確定申告書
交付期間
審査に通れば、補助金が交付され指定の銀行口座に振り込まれます。 補助金の入金は補助金額の確定からおよそ1か月後とされています。採択通知から交付までの期間を確認し、計画を立てる際に考慮しましょう。
参考:補助対象について | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金2023
事業再構築補助金
中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している補助金制度です。
昨今の社会・経済情勢の激変によって、売上や利益が下がった「中小企業・個人事業主」を対象として、新規事業へ最大1.5億円の補助金が出る制度です。
対象者
- 中小企業
- 中堅企業
適用条件
全枠共通必須要件では、以下の適用条件を満たす必要があります。
- 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
- 付加価値額を向上させること:
補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。
申請の流れについてはこちら。
申請書類
事業再構築補助金の申請に必要な主要な書類には以下が含まれます。
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- コロナ以前に比べて売上高(又は付加価値額)が減少したことを示す書類(申請枠によっては不要)
- 決算書等
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 従業員数を示す書類
申請書類のダウンロードはこちら。
交付期間
採択通知を受けた後、補助金の交付までの期間は交付決定日から12 か月以内となっています。計画を実施し、費用の支払いを行った後、交付が行われます。交付期間を確認し、計画を立てる際に考慮しましょう。
第11回公募締切日:令和5年10月6日(金)18:00
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助する制度です。
適用条件
小規模事業者持続化補助金の支給を受けるには、下記の3つの条件に当てはまる必要があります。
- 申請時に既に創業している
- 従業員数が5人から20人以下
- 商工会もしくは商工会議所に支援してもらう
申請の流れ
小規模事業者持続化補助金の申請手続きは以下のステップで行います。
- 経営計画書・補助事業計画書の作成
- 管轄の商工会議所へ「事業支援計画書」の交付を依頼
- 事務局へ申請書類を送付
- 審査および採択・不採択の決定
- 採択:交付決定
- 補助事業実施
- 実績報告書の提出
- 報告書等の確認、補助金額の確定
- 補助金の請求
- 補助金の交付
- 事業効果および賃金引上げ等状況報告書の提出
申請書類
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な主要な書類には以下が含まれます。
- 持続化補助金事業に係る申請書
- 経営計画書兼補助事業計画書①
- 補助事業計画書②
- 補助金交付申請書
- 宣誓・同意書
- 賃金引上げ枠誓約書
- 卒業枠誓約書
- インボイス特例誓約書
参考:小規模事業者持続化補助金
交付期間
採択通知を受けた後、補助金の交付までの期間は通常1年ほどかかります。計画を実施し、費用の支払いを行った後、交付が行われます。交付期間を確認し、計画を立てる際に考慮しましょう。
第14回公募締切日:令和5年12月12日(火)
ものづくり補助金
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス補助金)は、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が主催する補助金です。
新商品や新サービスの開発、あるいは新たな生産方式や提供方式の導入といった、経営革新のための設備投資などに交付されます。
対象者
- 中小企業者(組合関連以外)
- 中小企業者(組合・法人関連)
- 特定事業者の一部
- 特定非営利活動法人
- 社会福祉法人
適用条件
補助金を申請するためには、以下の要件を全て満たす3〜5年の事業計画を策定することが必要です。
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組 む場合は、年率平均1%以上増加) - 事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
- 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。
申請の流れ
ものづくり補助金の申請手続きは以下のステップで行います。
参考:【2022】ものづくり補助金の申請の流れ・スケジュール・採択率
申請書類
ものづくり補助金の申請に必要な主要な書類には以下が含まれます。
・事業計画書
その1:補助事業の具体的取組内容
その2:将来の展望
その3:会社全体の収支計画
交付期間
採択通知を受けた後、補助金の交付までの期間は交付決定後から最大で10カ月ほどかかります。計画を実施し、費用の支払いを行った後、交付が行われます。交付期間を確認し、計画を立てる際に考慮しましょう。
16次公募締切日:令和5年11月7日(火) 17時
参考:公募要領について|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。
対象者・条件
- 中小企業・小規模事業者であること
適用条件
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
- 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
以上の要件を満たした事業者は、事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を立て、(工場や事務所などの労働者がいる)事業場ごとに申請します。
申請の流れ
業務改善助成金の申請手続きは以下のステップで行います。
- 交付申請
- 交付決定
- 事業の実施
- 事業実績報告
- 交付額確定と助成金支払い
- 助成金受領
申請書類
業務改善助成金の申請に必要な主要な書類には以下が含まれます。
- 申請書
- 見積書
- 賃金引上げ計画書
- 事業実施計画書
交付期間
採択通知を受けた後、補助金の交付までの期間は通常2か月ほどかかります。
令和5年度申請締切:令和6年1月31日
おすすめの代行業者
STAND.Inc/株式会社4D
STAND.Incと株式会社4Dは共同で補助金に関する相談の受付・対応を行っています。中小企業のお客様を中心に、10年以上の支援実績を有し、補助金の採択率は85%を誇ります。
これから事業を拡大させたい、補助金申請においてサポートが欲しい等、補助金活用に興味・関心がある方は、「ホーム」>「問合せ」タブからお気軽にお問合せください。
まとめ
この記事では、補助金の申請方法について解説しました。各補助金の特徴を正しく捉え、自社に合った補助金を利用しましょう。また、代行業者等のサポートを受けることでさらなる事業拡大も見込めるため、必要な場合は検討しましょう。