この記事では、アクセサリーをECで販売する際の収益性、ステップ、成功ポイントを解説します。さらに、おすすめのECサイトデザインやコンサル業者も紹介します。これからアクセサリーをEC経由で売りたいとお考えの方は参考にしてください。
アクセサリーのEC販売の市場規模と収益性
アクセサリーのEC販売の市場規模
アクセサリーの市場規模とEC販売の収益性について考えてみましょう。まず、アクセサリーの市場規模についてです。下記「国内宝飾品(ジュエリー)市場規模推移」のグラフから、バブル崩壊後の1991年から30年間にわたって大きく市場規模が縮小してきたことが見て取れ、2021年には9,624億円となっています。
特にコロナウィルスの影響があった2019年~2020年の落ち込みは激しく、2020年の市場規模は前年比約83.2%となっています。この急激な下落については、コロナウィルスの感染拡大による外出自粛や休業の影響が直接的な要因です。また、国内人口が漸次減少する中、インバウンド需要が唯一希望の持てる分野であったにも関わらず、コロナウィルスの影響でその需要がほぼ消滅したことも、下落の加速に繋がったと考えられています。
参考:「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査を実施(2022年)」
ただ、上記のグラフからもアクセサリー市場全体は落ち込んでいるように見えますが、実はECの市場は年々伸びているのです。
幅広い層から支持されているジュエリーブランドの「4℃(ヨンドシー)」を運営する株式会社4℃ホールディングスの2021年2月期決算では、ECチャネル売上高は2022年に比べ2.39億円の増加で、今後も伸びる見込みです。また、2023年2月期に調査された売上は185.87億円で、EC化率は12.1%となりました。
アクセサリー業界におけるEC販売への需要が高まっていることが見てとれます。
参考:「株式会社4℃ホールディングス 第73期(2023年2月期)決算説明資料」
参考:「ECモールのレディースジュエリー・アクセサリー市場規模は、86%で縮小!」
「ジュエリー市場の現状とジュエリーECの取り組み事例を解説」
アクセサリーのEC販売の収支例
アクセサリーのEC販売を成功するためには、収支を計画することが不可欠です。以下に、売上とコストの計算例を示します。
売上
月間平均販売価格:1,500円
月間販売目標:100個
月間売上:150,000円
コスト
材料費:50,000円
制作時間(自身または労働力のコスト):30,000円
ECプラットフォームの手数料:5,000円
配送費用:10,000円
収益
月間収益:150,000円 – 50,000円 – 30,000円 – 5,000円 – 10,000円 = 55,000円
この例から分かるように、収益性を高めるためには、原材料のコスト、制作労力、手数料、配送費用などのコストを最小限に抑え、販売価格を競争力のあるレベルに設定することが大切です。
アクセサリーのEC販売のメリット
コストを抑えながら自分のお店を持てる
通常の実店舗を構えるよりも、ECストアを運営するコストは格段に低いです。賃貸料や店舗運営費用がかからないため、効率的にビジネスを展開できます。
集客がしやすい(モールであれば集客力がある、SNS連携しやすい、等)
ECモールを利用すれば、既存の集客力を借りることができます。また、SNSなどのオンラインプラットフォームと連携し、効果的な集客を行うことができます。
お客さんのレビューを見ることができる
顧客からのレビューや評価を通じて、自分の商品やサービスの改善点を把握できます。これにより、より良い製品を提供できるようになります。
参考:「ネットショップでハンドメイドアクセサリーを販売!メリット・デメリットを解説!」
アクセサリーのEC販売のステップ
①ブランドコンセプトを決める
最初に自分のブランドのコンセプトを明確にしましょう。あなたのアクセサリーが何を伝えるべきか、どのような価値観やスタイルを持つかを定義します。ブランドの個性が差別化のポイントとなります。
②ターゲット層を決める
誰に向けてアクセサリーを販売するのかを明確にすることが重要です。年齢、性別、趣味、ライフスタイルなど、ターゲット層の特徴を把握しましょう。これにより、効果的なマーケティングが可能になります。
③商品を作る
アクセサリーのデザインと制作に取り組みましょう。ここでの鍵は品質と独自性です。高品質な材料を使用し、他とは異なるデザインやテーマを追求しましょう。手作りの特別さを活かしましょう。
④出店する
ECプラットフォームに出店しましょう。主要なオンラインマーケットプレイス(例: Amazon、Etsy、楽天市場)や自分専用のECサイトを検討しましょう。選択したプラットフォームに適した商品リストとページを作成し、運用を開始しましょう。
⑤分析・改善する
販売が始まったら、データ分析を行いましょう。売上、訪問者数、顧客のフィードバックなどをトラッキングし、どの部分を改善すべきかを特定しましょう。マーケティング戦略や商品ラインナップの調整を行い、継続的な改善を実践しましょう。
参考:「アクセサリーをネット販売するやり方は?成功法やメリット、注意点までを徹底解説!」
アクセサリーのECサイトデザイン10選
1.Tiffany & Co.
サイト全体はシンプルなつくりとなっていますが、クオリティの高い画像と認知度だけで高級を意識させられるデザインです。
参考:Tiffany & Co. UK
2.4℃
4℃は高級過ぎずシンプル過ぎない洗練されたデザインで、こちらも商品やブランドのイメージにピッタリとなっています。
参考:4℃ジュエリーオンラインショップ
3.AHKA
カジュアルでシンプルなデザインでまとめられ、商品の高級感を演出しています。
参考:AHKAH(アーカー)公式オンラインサイト
4.agete
ageteはまさにジュエリーサイトといった感じで、高級感のある現代的なデザインです。
参考:agete(アガット)公式オンラインストア
5.Faris
おしゃれさを演出するポイントが明確で、何よりもユーザーの見やすさが意識されたデザインになっています。
参考:FARIS
6.Harry Winston
全体的に高級感のある質感でまとめられ、ジュエリーのきらめきを表現しています。
参考:Harry Winston
7.Swarovski
商品がずらりと陳列されているので、店頭でショッピングするようなワクワク感や楽しさがあります。
参考:Swarovski Official
8.Missoma
Missomaはピンクやオレンジなどカラフルなデザインなので、個性的でインパクトに残りやすい印象を与えます。
参考:Missoma
9.Bauble Bar
商品価格も種類も幅広いBauble Barの商品に合わせて、カジュアルやポップといった雰囲気のデザインになっています。
参考:BaubleBar
10.Daisy London
商品ページはホワイトのバックカラーで、今どきのデザインをしっかり抑えたシックな印象を与えます。
参考:Daisy London
アクセサリーのEC販売で成功するためのポイント
①ターゲット層・ニーズを明確にする
まず最初に、どのような顧客層にアクセサリーを提供するかを明確にしましょう。ターゲット層の年齢、性別、趣味、ライフスタイルを理解し、それに合ったアクセサリーを制作・販売することが重要です。アクセサリーの種類やデザインを選定する際に、ターゲット層のニーズを考慮しましょう。
②デジタル・SNSを活用する
アクセサリーの魅力をオンラインで伝えるために、デジタルプラットフォームとSNSを活用しましょう。以下は活用方法の例です。
- AR試着
顧客がアクセサリーを仮想的に試着できるAR技術を導入しましょう。これは購買のハードルを下げ、顧客体験を向上させます。 - SNSマーケティング
Instagram、Pinterest、FacebookなどのSNSプラットフォームを活用し、商品の魅力的な写真やビデオを共有しましょう。ハッシュタグを活用して、より多くの人にアクセスできるようにしましょう。
③ECサイトのSEO対策を行う
ECサイトのSEO(検索エンジン最適化)対策は、オンライン可視性を向上させ、検索エンジンでのランキングを高めるために重要です。以下のポイントに注意しましょう。
キーワードリサーチ
顧客が検索するであろうキーワードを調査し、それに合ったキーワードを商品説明やタイトルに組み込みましょう。
ユーザー体験の最適化
サイトの読み込み速度を最適化し、モバイルフレンドリーなデザインを採用しましょう。ユーザー体験の向上はSEOにも影響します。
コンテンツマーケティング
ブログ記事やガイドを通じて、アクセサリーに関連するコンテンツを提供しましょう。情報の提供がSEO向上に貢献します。
参考:「ジュエリー(アクセサリー)業界がECで成功するための戦略とは? 事例もあわせて解説」
アクセサリーのEC販売におけるおすすめのコンサル業者
①STAND.Inc/株式会社4D
この2社は共同でEC事業を行っており、特に海外へのECサイト開設・貿易を強みとしています。販売する地域や国の特性に合わせた戦略で、またアクセサリー分野に限らず化粧品や食品など扱う種類も豊富なため、経験やノウハウによって売上向上に寄与します。
②アートトレーディング株式会社
アートトレーディング株式会社は、ECサイトの制作から売上アップのための運営サポート・コンサル、受注・出荷業務までを一貫して行うECサイト制作会社です。
ECサイト制作では、shopifyを使ったアクセサリーネットショップの制作や、楽天市場の商品ページも製作することが可能なため、外部サイトで販売をしたいと考えている方は参考になります。
③株式会社フラクタ
株式会社フラクタは、綿密なWEBマーケティングとブランディング、確かな技術力とデザイン力です。新事業開発の成功に向けて全力でサポートしています。ECサイト構築ではShopify活用によるブランドECの新規制作や既存ECサイトのリニューアルまで幅広く対応し、戦略策定からコミュニケーション設計、リブランディングまで手厚くサポートしています。
④株式会社ND&I
株式会社ND&Iは、国内外のECサイト制作から運営までができることが強みのコンサル会社です。
特に海外向けのリスティング運用を得意としているため、今後海外展開を検討している方にとっては頼れる存在となるでしょう。
まとめ
この記事では、アクセサリーをECで販売する際の収益性、ステップ、成功ポイントを解説しました。ECにて販売することによって、自社の売上拡大を見込むことができます。
EC販売のためのステップを正しく踏み、コンサル会社などのアドバイスを受けることによって、販売成功を確実なものにしましょう。